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 10月6日に放送されたNHKスペシャル「大廃業時代〜会社を看取るおくりびと〜」をご覧になった人は多いだろう。徳島県内でスーパーマーケットを8店舗展開していた企業が業績低迷で倒産、経営者は自己破産しただけではなく地域経済に打撃を与えた顛末を番組は紹介した。

 こういう場合一般的によく言われるのが「人に寿命があるように会社にも寿命がある」だ。五島聡はこれに「違う」と異議を唱える。番組では大廃業に歯止めをかけるべきだという意見と廃業を恐れず新陳代謝を勧めるべきだという意見が紹介されたが、五島聡は「中小企業を強くするのが先ではないか」と提唱する。

 経営者が背負う経営責任と結果責任をどう果たすべきか――。五島聡の話は「企業経営の本質」や「企業価値を損なう企業の3つの共通点」、「企業価値を向上させる経営知識」に入って行く。

 具体的な財務コンサル例を取り上げて財務改善を探る事案考察は今回5つ。

 1つめは25期の動物病院。社長60歳、後継者の長男30歳。2期分のBSとPLの数字から問題を抽出する。現金損益(R)はどうか? 会社は良くなっているのか悪くなっているのか? 不測の事態に備えられているか? 五島聡は問いかける。「返済スピードが速すぎて会社に金がない。これで銀行に行って資金調達できるか?」

 2つめは零細製造業。社長は2代目で40歳。株式を100パーセント持っている。2期の比較から始める。一般的に経営者は少しでも低い金利を求めるが、五島聡は待ったをかけ、その理由を解説する。粗利益と粗利益率が低下している。この問題はどこにあるのか。将来を見すえて今の時点から仕掛けておくべきことは何か。五島聡の追究は続いた。

 3つめは従業員80人の土木業。社長は2代目で45歳。2期の比較をしていく。しっかり見ると問題が見えてくる。当座貸越をこのタイミングでなぜ減らしたのか。調達の運用のバランスがうまくいっていない。悪勘定の増加は財務経営を知らない社長だ。株を社長が7割持っているが残りはほかの兄弟が均等に持っている。株価は10年後どこまで増えそうか。五島聡は「この企業に毎月関わりを持っていかないと企業変革は難しいのではないか」と見通しを語った。

 4つめは2代目社長55歳。30歳の後継者がいる。2期の比較をする。現金損益(R)は赤字だ。五島聡は社長に「企業価値を上げることができていない」と伝えた。後継者が優秀なのであと3年でご引退いただくことを提案して、進めている。

 5つめは社長65歳。後継者35歳。良くなっているか悪くなっているか。問題点は営業赤字にあった。

 以上の5つの会社の中で将来価値を高めることができる可能性があるのはどこか。五島聡は2番目だとして、その理由をズバリ語った。

 続いて五島聡が取り上げたのは継続貢献営業の全体像だ。継続貢献営業という考え方は五島聡のオリジナルで、戦略法人保険営業塾の会員なら、いや、会員以外にも知られているキーワードである。

 五島聡は継続貢献営業の定義を「全ての顧客が抱える財務問題と事業承継問題の継続解決であり、保険は問題解決の部品である。問題解決のために全てを任せてもらう」としている。この継続貢献営業には5つの段階がある。

 この5段階のそれぞれで、何をどうすればいいか、五島聡の従来の実践を順番に並べ、ロードマップを作り、ある種マニュアル化させたと言ってもいいだろう。この順番に進めればいいのである。

 このSHE本講座は現役の法人保険営業マンでもある五島聡がこの1カ月間で得たものを惜しげもなく明かして共有する場だ。しかし財務知識がないと全く理解できないので、まずSHE導入財務基礎講座で数カ月学んで基礎を身に付けてからでないと受講できない。

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