それまで私は法人保険営業マンだった。法人保険営業マンは個人保険営業マンより1回あたりの契約が高額になる。とはいえ、新規開拓をし続けなければならないことは変わらない。新規開拓が嫌いな私は、「何とか新規開拓をせずに安定した収入を得ることは出来ないか?」と考え続けていた。

 

その答えとして、五島さんから「財務コンサルタントという仕事がある。20社と顧問契約を結び、月額15万円のコンサル料であれば月300万円の収入になり、年収は3600万円になる。ここに法人保険が絡むので年収5000万円を超える。この状況が続くのなら高値安定経営といえる」との話を聞き、私は「財務コンサルタントになろう!」と決心した。

 

法人保険営業マンとしてやっていくのなら戦略法人保険営業塾で良い。しかしコンサルタントとしてやっていくのなら日本BCP協会での学びが必要だ。

 

そう思った私は、日本BCP協会の公認インストイラクター養成講座3期生になった。講義で聞く単語は知らないものばかりで最初は大変だった。しかし3回目が終わったあたりから顧客先(すでに保険のご契約をいただいている社長)を訪ねてアプローチを始めた。BCP協会の講座で学んだストラックや銀行格付けを持っていったのである。

 

五島さんとジョイントワークをしていた際に目にした財務分析レポートなどをそっくりそのまま真似して、数値を変えて顧客先に持っていった。

 

これにハマると顧客の反応は大きい。しかしそうでない人は「ふーん」という反応だ。社長によって抱える悩みも求めているものも違うのだった。

 

コンサルタントになりたいが、食べていく必要がある。生活がある。だから保険営業マンとしての仕事は必須だった。「財務を見直しましょう」と訪ねていって決算書や保険証券などを預かる。財務分析をしてキャッシュフローや現金損益などの話をして、「この保険は御社にふさわしくない」と言うと面白いように保険の見直しをしていただくことができた。嬉しくなってどんどん取っていった。

 

例えば債務超過の会社の社長が2の1損金の保険や定期付き終身保険に入っているのだ。あり得ないではないか。既契約の保険がだめな根拠が経営に直結している。この見直しだけで保険の手数料収入は1年で1000万円を超えた。


(つづく)