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 金融機関の関係者の必読書と言われる『捨てられる銀行』(講談社現代新書)。森信親さんが金融庁長官に就いた2015年7月以降、金融庁では大改革が始まり、金融機関に激震が走った。地方創生への筋道をどう拓くのか。銀行よりも銀行の先にある企業の成長や満足度の向上を優先するという従来ない新機軸を打ち出した森金融庁に金融機関が驚愕したのである。

 森長官は2013年の検査局長時代に事業性評価の実例に関心を示し、先行する広島銀行から情報を得ていたとされる。その広島銀行でチームを作って事業性評価の方法を体系化し、成果を出していたのが融資企画部長だった日下智晴さんだった。

 従来の型や枠にはまらない日下さんの手腕や実績の詳細は『捨てられる銀行』に譲るが、印象に残るエピソードを1つ引いておきたい。大ニュースになった不動産会社アーバンコーポレイションの破綻(2008年8月)後のことだ。

≪ある取引銀行の営業担当者がアーバン破綻後に日下を訪問した時の印象をこう語る。
「日下さんは、『メインバンクとしてアーバンを支えることができず残念でした』としみじみと語っていました。債権の大回収に成功し、武勇伝で沸き返るみずほ銀行とは対照的でした」
 アーバンの戦後処理まで日下はやりきる。地域経済に影響を与える事柄に対しては、たとえそれがどんなに困難であっても全力で対応することが地方銀行の矜持であるという信念があってのことだ≫

 森長官が日下さんを招聘するのは必然だった。

 この日下さんがなんとSHEの冬合宿に登壇する。地域経済に影響を与える仕事をしている戦略法人営業塾の会員の皆さんは自分の仕事の重みを噛みしめるに違いない。