ソニー生命時代の3年間、私も「連続挙績」を達成しました。毎週欠かさずご契約をいただくのです。

 この経験から断言します。

 「連続挙績」は、すべきではありません。

 そもそも誰のための「連続挙績」か考えたことはありますか? 「連続挙績」を誰が喜ぶか考えたことはありますか?

 保険の成約でお金が入ってくる会社と保険営業マンが喜んでいるだけではありませんか?

 誤解しないでほしいのですが、私は個人保険の追求を否定しているのではありません。お金を稼ごうと思ってこの業界に入ってきた人が多いのですから、お金が入って喜ぶ感情は自然です。

 しかし、です。「連続挙績」が顧客のためになっていると自信を持って言えますか?

 「連続挙績」はどうしても「売りっぱなしの山」をたくさん築いてしまう可能性が高くなります。真っ当にフォローするのは不可能でしょう。だとしたら、正しい売り方とは言えません。

 「連続挙績」のほかにも「キャンペーン」や「強化月間」など、顧客には何の関係もない屁理屈がまかり通っているのがこの生保業界です。大勢の正業マンは疑いもせずに「私の連続挙績を応援してください」「キャンペーン中ですので、うちの商品をよろしくお願いします」「強化月間なので我が社の商品を買ってください」と営業しています。

 ここに出て来る主語は「私」であり「うちの会社」です。自分たちの都合で商品を買えと迫ることは一般社会では非常識です。これだから生保営業マンの社会的地位が向上しないのです。

 会社から人参をぶら下げられて突っ走るのは馬と同じです。私たちは馬ではないのですから、いいかげん変わらなければなりません。